健康だより 「食生活と健康の階層」
健康に関する知識情報をご提供するコーナーです。
上の図は、食生活に基づく健康の階層を示しています。階層の意味するところは、いずれの階層のバランスが崩れても健康の維持にはマイナスの影響を生ずるということです。また、健康増進のために食生活の改善を図ろうとする場合、まずは最下層のデトックスから上位階層の栄養素の取得に向けて段階的なステップを踏むことが望ましいことを表しています。
栄養素については、必須のものを中心にバランスよく摂取することが健康維持の基本となりますが、さらに根本的な基本要素として重要視されるのがデトックスです。
体内に有害物質を蓄積したままでは、いかに栄養のバランスを考えた食生活を営んでも有効な健康維持が図れない恐れがあります。逆に、デトックスにより体内を浄化することで、各栄養素の本来の働きが十分に発揮される環境が整うこととなり、健康を維持、増進する状況が初めて整うと言っても過言ではありません。
【第1階層】 デトックス
私たち現代人は、主に食生活を通して体内に重金属、農薬、添加物などの有害物質を取り込み、長期間にわたってこれらが蓄積されてしまうことを避けられません。デトックスとは、サプリメントの摂取や入浴などで、こういった体内の有毒な物質を排出しようとする方法一般を指します。
従来の健康法では、体に良いものを取り入れようと、栄養の摂取にばかり目を向けてきました。つまり「足し算の健康法」が全てだったわけです。しかし、せっかく摂取した栄養素も、体内に取り入れるだけでは効果は発揮されません。なぜならば、体内に蓄積した重金属等の有害物質が栄養の吸収を阻害し、きちんと細胞まで届いていないことが最近の研究で判明したからです。
効率よく栄養を吸収させるためには、まず体内にたまっている有害物質(毒素)を取り除くこと(デトックス)が欠かせないのです。つまり「引き算の健康法」が健康の第一歩であり、それにより「足し算の健康法」も有効となるわけです。
デトックスは、近年ますますその重要性が認識されていますが、実は基本的な解毒行為は太古の昔から人々の知恵の中にさまざまな形で根付いていました。健康への意識が高まる現代にあって、栄養素が適切に機能する体内環境作りのためにも日常生活の中でデトックスは不可欠な要素となっています。
【第2階層】 ビタミン&ミネラル
ビタミンとミネラルは、身体の働きに必要な成分と言われ、身体のエネルギーとなる三大栄養素(後述)と合わせて五大栄養素と呼ばれています。
ビタミンは13種類あります。種類により働きは異なりますが、身体の構成材料やエネルギー源となる三大栄養素が体内でスムーズに働けるようにサポートするというのがビタミンの主たる役割となります。
ミネラルは人間の身体の維持や調整に不可欠で、次の大きな4つの働きに分けられます。
- 骨格を形成
- 体液の酸度や浸透圧を調整
- 酵素の補助因子やホルモンの成分
- 神経や筋肉などの機能の維持
体内に存在する比較適量の多い主要ミネラルには、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、塩素、硫黄などがあります。
【第3階層】 三大栄養素
いわゆる糖質(炭水化物)、脂質(脂肪)、たんぱく質(アミノ酸)が三大栄養と呼ばれています。身体のエネルギー源としての基本3要素ともいえます。
糖質の1g当たりのエネルギー量は脂質の半分ほどですが、脂質に比べて燃焼のスピードが速いという特徴があります。また、脳や神経系に対する唯一のエネルギー源としても重要です。すぐにエネルギーを補給したいときにはもちろん、寝起きの頭などにカツを入れ、頭の働きをよくするためにも役立つというわけです。その他、身体を構成し、筋肉の運動や体温を維持する栄養素としても欠かせません。
脂質は、主に油脂類、肉類、乳類、魚介類、植物の種実といった食物に含まれています。身体をうごかすためのエネルギー源となります。また、細胞膜や血液、ホルモンなどの材料にもなります。脂溶性ビタミン(A,D,E)などの吸収を良くするといった働きをする栄養素です。脂質は最も高カロリーの栄養素です。脂質1g当たりのエネルギー量は約9キロカロリーです。しかし、脂質の種類により、血中コレステロールを高くしたり、肥満、高血圧、動脈硬化、糖尿病など生活習慣病を招きます。質と量を考えて上手に摂ることが必要となります。
たんぱく質は、人間のからだの構成材料となる栄養素です。筋肉、臓器、皮膚、毛髪、爪といった実質部分はもちろん、血液、代謝反応に不可欠の酵素、一部のホルモン、免疫の抗体、遺伝子(DNA)など、すべての細胞原型質はタンパク質を主材料として作られています。もちろん、エネルギーの供給源としても欠かせません。
タンパク質1g当たりのエネルギーは、約4キロカロリーです。
【第4階層】 糖鎖
糖鎖の存在が初めて学会で報告されたのは1990年で、人間の老化のメカニズムと大きく関係しているとして注目され初め、最近では糖鎖の発見はペニシリン・ワクチン・遺伝子と並んで医学会の4大発明と称されます。
糖鎖は、人類の病気や老化のメカニズムに大きく関係しており、インフルエンザ等の感染から癌の転移まで、これまで解明されていなかった生命現象のカギを握るといわれています。
糖鎖の働きは「細胞と細胞をつなぐ情報伝達器」ということができます。通常、細胞と細胞は、ちょうどアンテナのように糖鎖を張り巡らせて、細胞間のコミュニケーションを非常に円滑に行っていますが、ひとたび病原体が体内に侵入してくると即座にこれを見つけ出し、免疫細胞にこれを排除する指令を出します。
また、ガン細胞を見つけたり、自己と非自己を見分けたりするのも糖鎖の役割です。すなわち、身体の免疫システムの監視役といえます。
この五大栄養素の中で最も身近なエネルギー源が「炭水化物」ですが、この糖鎖の存在が学会で注目されるにしたがって、この炭水化物のくくりを「炭水化物」と「糖鎖」に分けようとする考え方が現在、主流となりつつあります。これからは糖鎖を加えた6大栄養素の摂取が健康のカギとなるといえます。
