健康だより 「コレステロールとデトックス」
健康に関する知識情報をご提供するコーナーです。1.コレステロールとは
コレステロールは血液に含まれる脂質の一種で、細胞膜や各種ホルモン、胆汁液などの材料となり、健康体を維持するために不可欠のものです。血管の内側に張り付いて、血流の侵食から血管を保護したりもします。
成人が必要とするコレステロールの量は1日に1グラム程度ですが、そのうち食品からとるのは20%前後で残りの80%は体内で作り出されています。
すなわち、砂糖や脂肪を材料として肝臓などにより大半のコレステロールが生成されているため、卵やイカなどコレステロールを多く含む食べ物を控えることだけで血液中のコレステロール量を単純に減らせるものではありません。
2.なぜコレステロールが問題となるのか
悪玉と呼ばれるLDLコレステロール(以下、単に“LDL”)は体中の血管にコレステロールを運び、善玉と呼ばれるHDLコレステロール(以下、単に“HDL”)は余分なコレステロールを肝臓へ回収する役目を担っています。
LDLとHDLのいずれもコレステロールとたんぱく質との複合体です。実は、両者とも体内の細胞膜の形成等に欠かせないものなのですが、LDLの量に比べてHDLが少なすぎると、コレステロールの供給過剰を招きます。
コレステロールが多すぎると、血管壁にコレステロールが次々と付着し、動脈内を狭めてしまいます。血管内壁に脂肪が付着すると、動脈硬化や心臓麻痺の原因となってしまいます。従って、動脈硬化などの予防には、LDL値を下げるだけでなく、余剰分を回収してくれるHDL値を上げる必要のあることが指摘されています。
3.コレステロール値の目安
日本動脈硬化学会は2007年4月に、診断基準から従来の総コレステロール値(TC値)を削除し、LDL値140以上を「高LDLコレステロール血症」、HDL値40未満を「低HDLコレステロール血症」とし、動脈硬化性疾患を引き起こす危険性を指摘しました。
ただ、医師向けの診断基準をすべて覚えるのは大変です。そこで手軽に危険度をチェックする目安として、東京医科歯科大学の吉田雅幸教授が「LDL値÷HDL値」という数式を紹介しています。この値が2.5以上なら要注意、健康な人なら2.0以下、糖尿病や高血圧といった危険因子を持っている人は1.5以下を目指すよう呼びかけています。
4.デトックスとの関係
血管内にへばりついたコレステロールなどは重金属イオンなどで固く結びついているといわれ、そのままでは剥がれにくい状態にあります。
デトックスによってこれらの重金属類が除去されると血管壁にこびり付くように付着しているコレステロールがはがれやすくなり、HDLによってスムーズに運び出されていくこととなります。
血管壁のコレステロールが剥がされていくと、血管の通路が広くなり、血管の弾力が戻るため血圧も下がることとなります。つまり、高血圧、狭心症、心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞などの危険性が低下することになるわけです。
5.中性脂肪について
コレステロールが細胞膜などの材料として構造脂質と呼ばれるのに対して、中性脂肪は貯蔵脂質と呼ばれます。一般に贅肉といわれるものの大部分が中性脂肪によるものです。
中性脂肪は、エネルギー貯蔵庫、断熱材、クッション材などの役割を負う身体になくてはならない物質です。ところが、貯めすぎると肥満症になるばかりか、血液中において善玉のHDLコレステロールを減らし、悪玉LDLコレステロールを増やしてしまうため、動脈硬化や脂肪肝、糖尿病などを招く危険性が指摘されています。
増えすぎた中性脂肪を抑えるには、甘いものやアルコール類を控えたり、魚類や野菜類をしっかりと摂取するといった食生活の改善により効果が期待できます。
6.食生活などの注意
日常的にデトックスを実践いただくとともに、食生活において肉類・魚類の適度なバランスをとる、高カロリー食品を控え目にする、食物繊維やビタミンCを充分に摂取する、ことなどを心がけてください。
肉類は良質のタンパク源で栄養素も豊富ですが、食べ過ぎると肥満やコレステロール過剰を招きます。魚類に含まれる不飽和脂肪酸は酸化しやすい反面、血液中のコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあります。また、食物繊維にはコレステロールを吸着・排出する働きがあり、ビタミンCはコレステロールを胆汁酸に変える働きをします。
さらに、適度な運動をして新陳代謝を高めることによりコレステロールや中性脂肪の燃焼量を増やしてやることも大切です。
